TIFFとは? (前編) 機能から歴史までを分かりやすくまとめました

TIFFファイルとは?

TIFFの名前の由来とデータ構造、可逆圧縮について

正式名称と拡張子

TIFF (Tagged Image File Format/ティフ) とはビットマップ画像の保存形式の一つで、モノクロTIFFはファイルや図面等の電子化保存における主要な保存形式になっています。またカラーTIFFは高解像度の画像形式で、写真編集・出版・グラフィックデザイン等に広く使用されています。ファイル拡張子は「.tiff」または「.tif」が用いられます。

データ構造

TIFFの語源であるTagged Image File Formatは「タグ付けされた画像ファイル形式」と訳すことが出来ます。TIFFは「ヘッダ」「IFD (Image File Directory)」「画素データ」の3つで構成されていて、ヘッダにはファイル情報の読み方のルールが、IFDには画像の幅や高さ、モノクロ・カラーといった色数、解像度等の付加情報が記録されています。多様な情報がタグ付けされているおかげで、数多くのグラフィックソフトで編集可能な互換性の高い画像形式になっています。

可逆圧縮

データ圧縮形式を複数サポートしているため、用途に応じて最適な圧縮形式を選択することが可能です。しかも多くの圧縮形式が可逆圧縮 (lossless compression/ロスレス圧縮) 方式のため、元のデータを一切毀損せずに元通りにすることができます。これに対しJPEGのように保存のたびに画質が劣化して元に戻せない圧縮形式を不可逆圧縮方式 (lossy compression/ロッシー圧縮) と呼びます。

TIFFの歴史

汎用性の高いデータ形式として開発

TIFFファイル形式は1986年にMicrosoftとAldusの2社によって開発されると、Windowsパソコンだけでなく、MacintoshやUNIXなどでも利用できる汎用性に富んだファイル形式として広く用いられるようになりました。歴史が長い画像形式のためTIFFには多くのバージョンが存在していますが、1992年に発表された「TIFF Revision 6.0」が現在の標準規格となっています。

2004年にISO化

1994年にAldusはAdobeの傘下に入り、翌年の1995年にマイナーアップデートが施されました。「Revision 6.0.1」と呼ばれていますが、内容的に大きな変更はなく技術的な部分での違いはありません。「TIFF Revision 6.0」は2004年にはTIFF/IT(Tagged Image File Format for Image Technology)としてISO化されています。

TIFFの特徴と機能

  • CMYKとRGBの両方のカラースペースに対応しており色彩表現の自由度が高い
  • 透かしなどの透明画像処理に対応
  • レイヤー構造の維持機能がある (ただしレイヤーに対応していないソフトがあるため注意が必要)
  • あまり大きくない複数のJPEGファイルを一つのTIFFファイルにまとめるコンテナファイルの機能を持ち、解像度の低い複数のJPEGをメールで送信する際などに役立つ
  • Windows、macOS、Linuxなどの主要なOSに対応している汎用性の高い世界共通のファイル形式
  • OSが異なるPCの間で画像データを扱う際に制約がないため便利
  • Webに非対応なためアップ出来ても表示されない。JPEG、PNG、GIFといった他の画像形式に変換する必要がある

TIFFのカラー形式

  • 1ビット (モノクロ2値 / 2色)
  • 4ビット (パレットカラー / 16色)
  • 8ビット (パレットカラー / 256色)
  • 24ビット (RGBフルカラー / 約1677万色)

印刷データとして活躍する理由

TIFFはモノクロ2値、グレースケール(モノクロ256諧調)、RGBフルカラー以外に、カラー印刷の際によく用いられるCYMK、映像信号で用いられるYCbCr、さらには業務用で使用されるCIE L*a*b*などの多種多様な画像フォーマットをサポートしています。

以上のことから印刷データの入稿の際にTIFF形式を指定されるケースもよく見受けられます。また画質が高いためオリジナルファイルの保管用の形式としても最適です。

現在のTIFF形式の立ち位置

インターネット時代の到来

1996年にフルカラーの画像を保存できるPNGが登場し、圧縮によってかなりの軽量化が可能であることから、その後のインターネットの拡大の波に乗って普及しました。しかしながらTIFFはWeb表示に対応しておらず、またファイルサイズが重すぎてメールに添付してやり取りできないため敬遠されてしまいました。

キーワードは高画質と軽量化

下記の様な専門的な職業での需要以外には、TIFF形式はあまり用いられることがないフォーマットになっているのが現状です。

①画質を最優先するケース

  • 印刷データ入稿の際のカラーTIFF
  • 絵画などの美術品を詳細に電子保存する際のカラーTIFF
  • プロの写真家の扱うフォトデータ

②軽量化を重視するケース

  • 大量の文書を保管する電子化におけるモノクロ2値のTIFF
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